英文会計上級講座

【英文会計上級講座】<第5回>BSとPLについて理解を深めましょう

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英文会計の知識を完璧にすることを目指す方のための無料講座です。

当記事は、「英文会計上級講座」の5回目で、【英文会計上級講座】<第4回>利益処分について理解しましょうの続きとなります。

英文会計の基礎については、「英文会計入門講座」でご説明しています。

まだ「英文会計入門講座」で学習していただいていない場合は、【英文会計入門講座】<第1回>基本的な会計用語を英語で覚えていきましょうから始めてください。

英文会計の実務については、「英文会計実務講座」でご説明しています。

まだ「英文会計実務講座」で学習していただいていない場合は、【英文会計実務講座】<第1回>会社の経理部について理解しましょうから始めてください。

英文会計の決算処理については、「英文会計中級講座」でご説明しています。

まだ「英文会計中級講座」で学習していただいていない場合は、【英文会計中級講座】<第1回>会計の基本概念を覚えましょうから始めてください。

 

USCPA英文会計学院の「英文会計無料講座」が役に立つ人

  1. 「英文会計入門講座」「英文会計実務講座」「英文会計中級講座」で学習していただいた人
  2. USCPA(米国公認会計士)のため、英文会計の学習をしている人
  3. ACCA(英国勅許公認会計士)の学習をしている人・しようと考えている人
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はじめに

既に【英文会計入門講座】<第2回>取引の発生から財務諸表の作成までの流れを英語で覚えましょうにて、取引(Transaction)の発生から財務諸表の作成までを学習していただきました。

さらに、決算整理(Adjustments)や、そのほかの個別項目も学習していただきました。

 

今回は、どのように、今まで学習していただいたことが貸借対照表(Balance Sheet:BS)や損益計算書(Profit and Loss Statement:PL)に反映されているか、どこにどのように表示されるべきかについて理解していただきます。

 

1.貸借対照表(Balance Sheet:BS)

貸借対照表(Balance Sheet:BS)は、会社の一時点の財産の状態を表します。

貸借対照表(Balance Sheet:BS)は、原則として、取得原価の原則(Historical Cost Principle)に基づき作成され、資産(Assets)は、取得に要した金額で計上されます。

ただし、例外的に、資産(Assets)の時価(Market Value)が取得原価(Acquisition Cost)を下回る場合、その資産(Assets)の評価替えをする場合があります。

時価(Market Value)が取得原価(Acquisition Cost)を上回った時の評価替えはしません。

 

また、貸借対照表(Balance Sheet:BS)は、貨幣単位の仮定(Monetary Unit Assumption)を前提としているため、貨幣価値に換算できない主観的な項目は計上されません。

これは、貸借対照表(Balance Sheet:BS)の限界と言えます。

貨幣価値に換算できない主観的な項目☞計上されない

  1. 会社のマネジメントや授業員が優秀である
  2. 会社に将来有望な商品や技術がある
  3. 良い得意先(Customer)を持っている

 

貸借対照表(Balance Sheet:BS)は、次の3つに分かれ、さらに利用者にとって、流動性・支払い能力・その他の財務情報を読み取るのに便利なように、それぞれ細目に分かれています。

貸借対照表(Balance Sheet:BS)

  1. 資産(Assets)の部
  2. 負債(Liabilities)の部
  3. 資本(Shareholders’ Equity)の部

 

(1)資産(Assets)の部

資産(Assets)の部は、会社が調達した資本の運用形態を示します。

資産(Assets)は、将来の収益となりうる、経済的便益のカタマリであると考えられます。

 

資産(Assets)の部は、流動性、つまり、換金性が高い順に、以下のように分かれています。

資産(Assets)の部

  1. 流動資産(Current Assets)
  2. 長期投資(Long-term Investment)
  3. 不動産、設備および備品(Property, Plant and Equipment)
  4. 無形固定資産(Intangible Assets)
  5. その他の資産(Other Assets)

 

①流動資産(Current Assets)

流動資産(Current Assets)には、以下のようなものが含まれます。

流動資産(Current Assets)

  1. 現金(Cash on Hand)
  2. 預金(Cash in Bank)
  3. 短期保有売却目的有価証券(Short-term Trading Securities)
  4. 売掛金(Accounts Receivable:AR)
  5. 棚卸資産(Inventory)
  6. 消耗品(Supplies)
  7. 前払費用(Prepaid Expense)

②長期投資(Long-term Investment)

長期投資(Long-term Investment)には、一年未満に現金化・使用する予定のない資産が含まれます。

長期投資(Long-term Investment)

  1. 長期投資目的の株式(Stock)や社債(Bond)
  2. 投機(Speculation)目的で保有する土地(Land)や建物(Building)

③不動産、設備および備品(Property, Plant and Equipment)

不動産、設備および備品(Property, Plant and Equipment)は、固定資産(Fixed Assets)であり、会社の営業活動で使用されるために保有します。

不動産、設備および備品(Property, Plant and Equipment)

  1. 土地(Land)
  2. 建物(Building)
  3. 備品(Equipment)
  4. 機械(Machinery)

土地(Land)以外は、時の経過および使用により、その価値が減少するため、使用可能期間に渡って、減価償却(Depreciation)というプロセスを経て、その資産(Assets)の取得原価(Acquisition Cost)は費用化されます。

④無形固定資産(Intangible Assets)

無形固定資産(Intangible Assets)は、目に見えず、触ることもできず、物理的な実体がなく、かつ、将来、本当に収益(Revenue)獲得に貢献するのか不確実な資産です。

たとえば、売掛金(Accounts Receivable:AR)は、物理的な実体はありませんが、不確実性が高くないため、無形固定資産(Intangible Assets)には該当しません。

無形固定資産(Intangible Assets)

  1. 特許権(Patents)
  2. 著作権(Copyrights)
  3. 営業権(Goodwill)

無形固定資産(Intangible Assets)も、土地以外の有形固定資産(Tangible Assets)と同じく、時の経過とともにその価値が減少すると考えられるため、償却(Amortization)というプロセスにより、費用化されていきます。

➄その他の資産(Other Assets)

その他の資産(Other Assets)は、流動資産(Current Assets)、長期投資(Long-term Investment)、不動産、設備および備品(Property, Plant and Equipment)、無形固定資産(Intangible Assets)のいずれにも該当しない資産(Assets)です。

その他の資産(Other Assets)

保険料を前払する際の1年を超える期間分の長期前払保険料

 

(2)負債(Liabilities)の部

負債(Liabilities)の部は、次の2つに分かれています。

負債(Liabilities)の部

  1. 流動負債(Current Liabilities)
  2. 固定負債(Non-current Liabilities)

 

①流動負債(Current Liabilities)

流動負債(Current Liabilities)には、以下のようなものが含まれます。

流動負債(Current Liabilities)

  1. 買掛金(Accounts Payable:AP)
  2. 未払家賃(Rent Payable)
  3. 前受家賃(Unearned Rent)
  4. 未払税金(Income Tax Payable)

②固定負債(Non-current Liabilities)

固定負債(Non-current Liabilities)は、1年を超えて決済される負債(Liabilities)です。

固定負債(Non-current Liabilities)

長期借入金(Long-term Loan Payable)

 

(3)資本(Shareholders’ Equity)の部

資本(Shareholders’ Equity)は、資産(Assets)から負債(Liabilities)を控除した残額であり、株主(Shareholder)の持分です。

資本(Shareholders’ Equity)の部の表示は、会計原則や法律により異なりますが、以下の3つが含まれます。

資本(Shareholders’ Equity)の部

  1. 資本金(Capital Stock)
  2. 資本剰余金(Additional Paid-in Capital)
  3. 利益剰余金(Retained Earnings)

 

①資本金(Capital Stock)

資本金(Capital Stock)は、株主(Shareholder)の払込資本です。

株主(Shareholder)は、普通株式(Common Stock)または優先株式(Preferred Stock)として、会社の株を保有します。

株主(Shareholder)の払い込みのうち、額面金額(Per Value)の部分が資本金(Capital Stock)として計上されます。

資本金(Capital Stock)は、配当(Dividend)などの原資とすることはできず、必ず会社に確保しておかなければなりません。

なぜなら、株式会社の株主(Shareholder)は、会社が投資しても自分が出資した金額までがその責任範囲だからです。

つまり、有限責任(Limited Liability)で、債権者にとって最低限保証される担保部分は資本金(Capital Stock)となるため、この部分は会社に確保しなければならないことになっています。

②資本剰余金(Additional Paid-in Capital)

資本剰余金(Additional Paid-in Capital)は、株主(Shareholder)の払い込みのうち、額面金額(Per Value)以上、または、額面金額(Per Value)以下の払い込みによる、額面金額(Per Value)との差額です。

資本金(Capital Stock)と同じように、会社の活動の原資となる元本です。

③利益剰余金(Retained Earnings)

利益剰余金(Retained Earnings)は、株主(Shareholder)の持分のうち、過去の儲けの累積です。

 

2.損益計算書(Profit and Loss Statement:PL)

損益計算書(Profit and Loss Statement:PL)は、一定期間の会社の経営成績を表します。

損益計算書(Profit and Loss Statement:PL)の構成要素には、収益(Revenue)と費用(Expense)があります、

 

通常、損益計算書(Profit and Loss Statement:PL)は、これを利用する者に対して、その会社の収入源や利益・損失の原因、その他の情報を豊富に提供する目的で、いわゆる区分式(Multiple-step)により作成されます。

区分式(Multiple-step)の損益計算書(Profit and Loss Statement:PL)では、段階的に、収益(Revenue)から費用(Expense)を控除して表示されます。

 

損益計算書(Profit and Loss Statement:PL)は、次の4つに大きく分かれます。

会計基準(Accounting Principles)によって、表示にはかなりの相違があることに留意してください。

損益計算書(Profit and Loss Statement:PL)

  1. 営業損益の部(Operating Section)
  2. 営業外損益の部(Non-operating Section)
  3. 特別損益の部(Extraordinary Item)
  4. 法人税の部(Income Tax Section)

 

(1)営業損益の部(Operating Section)

営業損益の部(Operating Section)では、その会社のメインのビジネスからの収益(Revenue)および費用(Expense)に関する情報を提供します。

より詳しい情報提供を目的とし、さらに以下の項目に細分化されます。

営業損益の部(Operating Section)

  1. 売上(Sales)
  2. 売上原価(Cost of Goods Sold:CGS)
  3. 販売費および一般管理費(Selling, General, and Administrative Expenses:SGA)

 

販売費(Selling Expense)は、販売(Sales)に直接関連する費用(Expense)で、以下のようなものがあります。

販売費(Selling Expense)

  1. 営業マンの給与(Sales Salary)
  2. 営業活動上の旅費(Travel Expense)
  3. 会議費(Meeting Expense)
  4. 交際費(Entertainment Expense)
  5. 広告宣伝費(Advertisement Expense)
  6. 配達費(Freight-out)
  7. 通信費(Communication Expense)
  8. 販売設備や営業活動に使用している資産の減価償却費(Depreciation Expense)

 

一般管理費(General and Administrative Expense)は、会社の一般的な管理に関して発生する費用(Expense)で、以下のようなものがあります。

一般管理費(General and Administrative Expense)

  1. 役員報酬(Officers’ Salaries)
  2. 水道光熱費(Utilities Expense)
  3. 保険料(Insurance Expense)

 

  • 売上(Sales)から売上原価(Cost of Goods Sold:CGS)を控除した額は、売上総利益(Gross Margin)として表示されます。
  • 売上総利益(Gross Margin)から販売費および管理費(Selling, General, and Administrative Expenses:SGA)を控除した額は、営業利益(Operating Income)となります。

 

(2)営業外損益の部(Non-operating Section)

営業外損益の部(Non-operating Section)は、会社のメインのビジネスから派生的に発生する、副次的な活動から生じる収益(Revenue)や費用(Expense)を含みます。

営業外損益の部(Non-operating Section)

  1. 受取利息(Interest Revenue)
  2. 支払利息(Interest Expense)
  3. 為替差損益(Exchange Loss/Gain)
  4. 固定資産売却損益(Loss/Gain on Fixed Assets)

 

(3)その他、特別損益項目(Extraordinary Item)

その他、特別損益項目(Extraordinary Item)には、性質が異常で、かつ、発生頻度が低く、かつ、重要な項目(an usual and infrequent nonrecurring item which has material effects)が含まれます。

その他、特別損益項目(Extraordinary Item)

  1. 10年後に償還される社債(Bond)の早期償還(Early Extinguishment of Bond)
  2. 地震がめったに起こらない場所に所在する会社が、まれにしか起こらない地震により重大な損害を被った場合

 

  • 営業利益(Operating Income)から、営業外損益(Other Revenue/Expense)と特別損益項目(Extraordinary Item)を加算・控除した残額が、税引前当期利益(Income before Tax)となります。

 

(4)法人税の部(Income Tax Section)

法人税の部(Income Tax Section)では、営業活動の部(Operating Section)、営業外活動の部(Non-operating Section)、特別損益項目(Extraordinary Item)から生じる利益に対する税金が表示されます。

  • 税引前当期利益(Income before Tax)から税金費用(Income Tax Expense)を控除して、純損益(Net Income/Loss)を算出します。

 

 

以上、「【英文会計上級講座】<第5回>BSとPLについて理解を深めましょう」でした。

BSとPLについて理解していただけたでしょうか?

【英文会計上級講座】<第6回>財務諸表を使った経営分析ができるようになりましょうにお進みください。

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