英文会計の仕事がしたい方のための無料講座です。
当記事は、「英文会計実務講座」の4回目で、【英文会計実務講座】<第3回>売掛金の管理を覚えましょうの続きとなります。
英文会計の基礎については、「英文会計入門講座」でご説明しています。
まだ「英文会計入門講座」で学習していただいていない場合は、【英文会計入門講座】<第1回>基本的な会計用語を英語で覚えていきましょうから始めてください。
USCPA英文会計学院の「英文会計無料講座」が役に立つ人
- 「英文会計入門講座」で学習していただいた人
- USCPA(米国公認会計士)の前段階で英文会計の学習を始めたばかりの人
- ACCA(英国勅許公認会計士)の学習をしている人・しようと考えている人
- 仕事などで、英語で会計を理解する必要がある人
- 英語が得意で、会計の知識を身につけてキャリアアップしたい人
- 英文会計の実務が知りたい方人
英文会計の最高峰資格は、USCPA(米国公認会計士)というアメリカの公認会計士資格です。
USCPAについて詳しく知りたい場合、アビタスというUSCPA予備校から資料を取り寄せてみてください(もちろん無料です)。
USCPAの短期合格のコツ・資格の活かし方は『USCPAになりたいと思ったら読む本』を読んでみてください。
1.経費精算(Expense Settlement)のしかた
経費精算(Expense Settlement)とは、業務に関連して支出する交通費や電話代などをいったん従業員(Employee)が立て替え払いし、これらを一定期間にまとめて会社に請求することを指します。
会社の運用規定にもよりますが、従業員(Employees)が提出する経費精算書(Expense Report)のチェックは、経理部(Accounting Department)内のアシスタント・アカウンタントやアカウンタント、または、営業部やマーケティング部の各部門のアシスタントが行う場合がほとんどです。
(1)経費精算(Expense Settlement)とは
経費精算(Expense Settlement)のポイントをご説明します。
経費精算(Expense Settlement)のポイント
- 経費精算書(Expense Report)の作成
- 領収書(Receipt)の添付と承認(Approval)
- 定額前渡制やコーポレートカード
①経費精算書(Expense Report)の作成
営業マン(Sales Representative)などの従業員(Employees)が業務に関連して経費を使った場合、このような経費は、従業員(Employees)の個人負担ではなく、会社の経費(Expense)になります。
従業員(Employees)は、一定期間分のこれらの経費をまとめて、領収書などを添付して、上司の承認を得て、経理部(Accounting Department)に経費精算書(Expense Report)を提出し、会社から使用した金額の払い戻しを受けます。
②領収書(Receipt)の添付と承認(Approval)
精算された金額を業務に関連する費用(Expense)として会社の経費にするため、経費精算書(Expense Report)には領収書の添付が必須となります。
また、精算される金額は、従業員(Employees)が申告する額全てというわけではなく、会社の内部規定に基づく範囲内で、その者の直属の上司の承認(Approval)を得たもののみとしている場合がほとんどです。
③定額前渡制やコーポレートカード
従業員(Employees)が経費を一時的にでも会社の代わりに支払うのは、その従業員(Employees)の経済的な負担になるため、定額前渡制やコーポレートカードを取り入れている会社も多いです。
定額前渡制というのは、入社時に一定金額を従業員(Employees)に渡し、経費の支出に使用してもらい、退職時に前渡した一定金額を返してもらうという制度です。
また、コーポレートカードについては、従業員(Employees)に渡しておけば、会社の口座から引き落とされますので、従業員の負担となることはありません。
(2)経費精算(Expense Settlements)の方法
経費精算(Expense Settlements)の方法は、会社によって様々ですが、以下のプロセスが一般的です。
経費精算(Expense Settlements)の方法
- 経費精算書(Expense Report)の作成
- 経費精算書(Expense Report)を経理部(Accounting Department)へ提出
- 経理部(Accounting Department)による精算額の支払い
①経費精算書(Expense Report)の作成
会社の内部規定により、経費精算(Expense Settlement)に関する従業員(Employees)から経理部(Accounting Department)への提出の締切日や払戻日は決まっています。
経費を使った従業員(Employees)は、ネットワークに繋がれた経費精算システムにログインし、コンピュータ上に支出した金額、日にち、支払先、詳細、その他を入力します。
②経費精算書(Expense Report)を経理部へ提出
従業員(Employees)は、入力した経費精算書(Expense Report)をプリントして領収書などを添付し、上司の承認(Approval)を得て、経理部(Accounting Department)に提出します。
③経理部による精算額の支払い
会社のシステムにもよりますが、入力された経費精算(Expense Settlement)のデータが経理部(Accounting Department)の会計システムに連動している場合は、経理部担当者は、経費精算(Expense Settlement)のデータを会計システムに取りこむ処理をします。
会計システムに連動していない場合は、会計システムにデータをマニュアル入力します。
提出された経費精算書(Expense Report)をチェックし、必要に応じて本人や上司に質問したり、内部規定を確認して、払い戻す金額を決定します。
定められた払戻日に、授業員(Employees)に対して精算額の支払いをします。
(3)経費精算(Expense Settlement)で出てくる費用(Expense)
会社の経費の分け方や勘定科目(Account)によってさまざまですが、以下が代表的なものです。
経費精算(Expense Settlement)で使う費用(Expense)勘定(Account)
- 交通費(Travel):電車・バス・タクシーなどの料金、航空運賃、ガソリン代や駐車場代など
- 宿泊費(Accommodation):ホテル代など
- 通信費(Communication):電話代、ファックス送信費、切手代、郵送代など
- 会議費(Meeting):会議に関連して支出される費用
- 交際費(Entertainment)接待・饗応・慰安・贈答に該当する飲食費や交遊費など
- 雑費(Miscellaneous):手数料やそのほかの費用
(4)経費精算書(Expense Report)のチェック項目
経理部(Accounting Department)では、精算額の払い戻しをする前に、従業員(Employees)から提出される経費精算書(Expense Report)について、以下の項目をチェックします。
経費精算書(Expense Report)のチェック項目
- 領収書(Receipt)が正しく添付されているか?
- 従業員(Employees)が申告している数字は正しいか?
①領収書(Receipt)が正しく添付されているか?
会社の経費(Expense)とするには、領収書(Receipt)などの支払いの証拠を保存しておくことが必須です。
通常、電車賃やバス代などの領収書は発行されないため、移動した場所や移動手段についての記録(いつ・どこからどこまで・何を使って移動したか)を申請することになります。
その他の支出(たとえば、飲食費やタクシー代など)については、後ほど見ていく消費税(Consumption Tax)の申告上でも、領収書(Receipt)が必要となります。
②従業員(Employees)が申告している数字は正しいか?
通常、従業員(Employees)がコンピュータ上の経費精算システムに入力します。
よって、経理部(Accounting Department)では、提出された経費精算書(Expense Report)に添付された領収書などと突き合わせをして、入力された金額が正しいかチェックします。
また、タクシー代の使用や交際費に関する申告内容が、会社の内部規定に合っているか、正しく上司の承認を得ているかについても確認します。
(5)経費精算(Expense Settlement)の際の留意点
経費精算(Expense Settlement)の際に注意すべきことは、以下の3点です。
経費精算(Expense Settlement)の際の留意点
- 経費に対応した正しい勘定(Account)に振り分けること
- タイムリーな経費精算(Expense Settlement)を奨励すること
- 交際費(Entertainment)と会議費(Meeting Expense)の区別をすること
①経費に対応した正しい勘定(Account)に振り分けること
よく出てくる経費は、同じ勘定(Account)を使って仕訳をしていきます。
経費を使った従業員(Employees)が選んだ勘定(Account)が正しいとは限りませんので、きちんと確認しましょう。
②タイムリーな経費精算(Expense Settlement)を奨励すること
忙しいことを理由に経費精算(Expense Settlement)をなかなか提出しない従業員(Employees)がいるかもしれません。
経費精算(Expense Settlement)をためることは、以下のような問題が生じる可能性があります。
- 会社の経理上、正しい損益費用の対応ができなくなる
- 会社のキャッシュフローに影響がある
- 従業員(Employees)本人も、経済的に負担となる
よって、経費精算(Expense Settlement)はタイムリーに行うよう奨励する必要があるでしょう。
③交際費(Entertainment)と会議費(Meeting Expense)の区別をすること
交際費(Entertainment)には、接待や慰安などの目的で支出される飲食や交友費などが対応し、社外に限らず、社内での支出も交際費になりえます。
一方で、会議費(Meeting Expense)は、会議を目的とした飲食などが含まれます。
交際費(Entertainment)は、いわゆる冗費(必ずしも必要ではない費用)として位置づけられており、会社の税金を申告するうえで、他の経費とは違って課税所得を計算するうえで控除される費用(Deductive Expense)にはなりません。
つまり、会社は交際費(Entertainment)を支出しても、会計上は費用(Expense)となりますが、税務上は費用とはならず、交際費(Entertainment)の分の税金を支払うことになります。
- 交際費(Entertainment)は、税務控除されない
- 会議費(Meeting Expense)は、税務控除される
税務調査(Tax Audit)の際に、どの会社においても、交際費(Entertainment)と会議費(Meeting Expense)の区分は、税務調査官との議論となります。
よって、経理担当者は、会社で決められている交際費(Entertainment)と会議費(Meeting Expense)の区分には注意が必要です。
2.消費税(Consumption Tax)の取り扱い
従業員(Employees)への経費精算(Expense Settlement)において、会社が支払う金額には、経費となる金額のほかに消費税(Consumption Tax)が含まれます。
- 所得税や法人税:収入や利益などの所得金額に対して課せられる直接税
- 消費税:広く浅く国内の財や役務の消費に課税する間接税
消費税(Consumption Tax)の考え方は、世界各国でも採用されています。
- 日本:消費税(Consumption Tax)
- 米国:売上税(Sales Tax)
- 欧州:付加価値税(Value Added Tax :VAT)
- オーストラリア:商品サービス税(Goods and Services Tax :GST)
法律の規定が違いますが、原則・基本的な考え方・留意点などはほぼ同じです。
(1)消費税(Consumption Tax)の仕組み
消費税(Consumption Tax)は、広く浅く国内の財(商品)または役務(サービス)の消費に対して課税され、税金の最終負担者は消費者です。
よって、最終消費者ではない会社は、消費税(Consumption Tax)の課税の流れの通過地点にすぎません。
会社は、商品を仕入れたり経費を支払う際に、消費税(Consumption Tax)を仕入先や業者に対して支払います。
反対に、商品(Merchandise)を売上げたときは、売上金額に消費税(Consumption Tax)を上乗せした額の支払いを受けます。
この売上の際に、一緒に支払いを受ける消費税(Consumption Tax)は、会社にとっては預かり金にすぎません。
会社は、この預かった税額の合計から支払った税額の合計を控除した差額を税務申告の手続きによって納税(Tax Payment)することになります。
もし、預かった税額より支払った税額の方が大きい場合は、その差額の還付(Tax Refund)を受けることになります。
(2)経費精算(Expense Settlement)に関する消費税(Consumption Tax)の留意点
従業員(Employees)から提出される経費精算書(Expense Report)の中の経費には、消費税(Consumption Tax)が含まれます。
会社は、支払った消費税(Consumption Tax)と売上に際して受け取る消費税(Consumption Tax)を相殺(Net)して、納税(Tax Payment)または還付(Tax Refund)を受けることになります。
ここで気をつけなければならないのは、全ての支出に消費税(Consumption Tax)が含まれているわけではないことです。
消費税(Consumption Tax)を含まない支払いに関しては、全額が経費となります。
消費税(Consumption Tax)を含まない支払いには、以下の2つのタイプがあります。
消費税(Consumption Tax)を含まない支払い
- 非課税(Tax Free)
- 免税(Tax Exempt)
①非課税(Tax Free)
代表的なものは、銀行の支払利息(Interest)や、土地の賃貸料、居住用住宅の家賃などです。
とはいえ、これらが経費の精算(Expense Settlement)に出てくることは、あまりありません。
②免税(Tax Exempt)
消費税(Consumption Tax)は、国内の消費に限って課税されるため、国外で消費されたものや、国外で消費される予定の輸出取引(Export)は、消費税(Consumption Tax)の免税(Tax Exempt)となります。
代表的なものは、国際線の航空運賃、国際電話代、海外出張時の支出(ホテル代・食事代・レンタカー代など)があります。
これらは、経費精算(Expense Report)の際に、消費税(Consumption Tax)を抜き出す計算は不要です。
海外に関連した支出には、消費税(Consumption Tax)が含まれないことに注意する
実務では、消費税(Consumption Tax)は、入力時にシステム上である一定の勘定コードを選ぶと、自動的に税額を抜き出す計算がされます。
消費税が含まれるか含まれないかによって、使用するコードは違います。
よって、非課税(Tax Free)や免税(Tax Exempt)となる経費の場合は、会社の定めるコードを正しく選ぶ必要があります。
以上、「【英文会計実務講座】<第4回>経費精算のしかたと消費税の取り扱いを覚えましょう」でした。
経費精算と消費税について理解していただけたでしょうか?
<第5回>小口現金の管理のしかたと銀行口座について学びましょうにお進みください。
英文会計の次のステップとしては、USCPA(米国公認会計士)がおすすめです。
USCPAは英文会計の最高峰資格です。
USCPAについては、USCPAどこさんの「USCPAどこのブログ」が詳しいです。
USCPAどこさんは、中央経済社より『USCPAになりたいと思ったら読む本』も出版。
USCPAになるまでのステップはUSCPAの始めかた【5ステップ】を参考にしてください。
USCPA予備校はUSCPA予備校4校を徹底比較!失敗しない学校選び が参考になります。
USCPA講座はアビタスがおすすめです。
╲資料請求・セミナー参加無料/
ほか、CPA会計学院もありますので、比較してください。
╲資料請求無料/
外資系・グローバル企業への転職で人気の転職エージェントはこちらです↓
╲登録無料/
╲登録無料/