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当記事は、「英文会計上級講座」の4回目で、【英文会計上級講座】<第3回>投資有価証券について学習しましょうの続きとなります。
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はじめに
会社は、決算(Closing)後、確定した純利益(Net Income/Loss)を当期末処分利益(Retained Earnings)に振り替えます。
当期未処分利益(Retained Earnings)とは、文字通り、「まだどのように処分するか決まっていない利益」という意味です。
この後、株主総会(Shareholders’ Meeting)の決議(Resolution)を経て、その期の利益処分(Appropriation of Retained Earnings)の行方が決まります。
会社のオーナーは、役員(Directors)などの経営陣ではなく、株主(Shareholder)であり、利益または損失の発生は、株主(Shareholder)の拠出資本(Capital)に対する増減となります。
よって、その期の経営成績(Operating Results)および利益の処分や損失の処理は、株主総会(Shareholders’ Meeting)での承認が必要となります。
株主(Shareholder)や債権者(Creditor)の保護を目的として、それぞれの国の会社法(Corporation Law)や商法により、利益処分に関するさまざまな規制が制定されています。
今回は、利益処分のうちの基礎的な項目と、当期末処分利益(Retained Earnings)と貸借対照表(Balance Sheet:BS)・損益計算書(Profit and Loss Statement:PL)の関係について学習していただきます。
1.利益処分(Appropriation of Retained Earnings)
会社は、当期末処分利益(Retained Earnings)が確定したら、株主総会(Shareholders’ Meeting)の決議(Resolution)を経て、利益処分(Appropriation of Retained Earnings)を行います。
利益処分(Appropriation of Retained Earnings)の代表的なものは、次の2つです。
利益処分(Appropriation of Retained Earnings)
- 配当(Dividend)
- 役員賞与(Directors Bonus)
(1)配当(Dividend)
配当(Dividend)は、株主(Shareholder)に対する利益の分配です。
配当(Dividend)については、制限があります。
利益が出ていないのに、どんどん株主(Shareholder)に配当(Dividend)を支払うと、活動の元本が無くなり、しまいには経営が立ち行かなくなってしまいます。
配当する利益がないにもかかわらず。配当(Dividend)した場合は、元本の食いつぶし(Dividend from Capital)となり、おなかがすいたタコが、食べるものに困って自分の足を食べてしまうことに似ているので、「タコ配当(Octopus Dividend)」と呼ばれます。
①配当(Dividend)決議時
実際の配当(Dividend)支払い時ではなく、配当(Dividend)決議(Resolution)時に配当宣言(Declaration of Dividend)した金額で、仕訳(Journal Entry)をします。
配当決議時の仕訳
Dr)当期未処分利益(Retained Earnings)
Cr)未払配当金(Dividend Payable)
②配当(Dividend)支払時
実際の配当(Dividend)支払い時に、支払いの認識をします。
配当支払時の仕訳
Dr)未払配当金(Dividend Payable)
Cr)現金(Cash)
(2)役員賞与(Directors Bonus)
役員(Directors)は、株主(Shareholder)の指名を受けて、会社の運営にあたります。
役員(Directors)は、自らの賞与を勝手に決定するわけにはいかず、その支払いは、株主総会(Shareholders’ Meeting)の承認を得る必要があります。
①役員賞与(Directors Bonus)決議時
決議(Resolution)時に、役員賞与(Directors Bonus)の未払いを認識します。
役員賞与決議時の仕訳
Dr)当期未処分利益(Retained Earnings)
Cr)未払役員賞与(Directors Bonus Payable)
②役員賞与(Directors Bonus)支払時
実際の役員賞与支払い時に、支払額で支払いの認識をします。
役員賞与支払時の仕訳
Dr)未払役員賞与(Directors Bonus Payable)
Cr)現金(Cash)
利益処分(Appropriation of Retained Earnings)
- 配当(Dividend)
- 役員賞与(Directors Bonus)
利益は株主(Shareholder)のものなので、処分には株主(Shareholder)の承認が必要
2.当期未処分利益(Retained Earnings)と貸借対照表(BS)・損益計算書(PL)との関係
既に学習していただきましたが、損益計算書(Profit and Loss Statement:PL)上の収益(Revenue)と費用(Expense)の差額は、純損益(Net Income/Loss)になります。
この純損益(Net Income/Loss)は、株主(Shareholder)の拠出金である資本金(Capital Stock)を増減します。
当期の純損益(Net Income/Loss)は、当期未処分利益勘定(Retained Earnings)に振り替えられ、株主総会(Shareholders’ Meeting)の決議(Resolution)を経て、その処分が決まります。
処分後の残額は、貸借対照表(Balance Sheet:BS)上の資本(Shareholders’ Equity)の部の構成要素となります。
この流れを例を使って見ていきましょう。
(1)第1期:2021年12月決算
会社が設立され、2021年12月31日に決算(Closing)を迎えました。
期末の直前に設立されたため、実際の営業活動は行われず、貸借対照表(Balance Sheet:BS)に、株主(Shareholder)の払い込み資本金(Capital Stock)が載っているだけとします。
収益(Revenue)および費用(Expense)の発生が無かったため、損益計算書(Profit and Loss Statement:PL)はゼロです。
(2)第2期:2022年12月決算
損益計算書(Profit and Loss Statement:PL)および貸借対照表(Balance Sheet:BS)は、以下のようになったとします。
損益計算書(Profit and Loss Statement:PL)上の当期利益(Net Income)と、貸借対照表(Balance Sheet:BS)上の当期未処分利益(Retained Earnings)の金額は、同額となっています。
この金額が、株主(Shareholder)拠出の資本金(Capital)を元手に、会社が稼ぎ出した処分可能な利益となります。
①利益処分(Appropriation of Retained Earnings)の決定
会社の株主総会(Shareholders’ Meeting)により、以下の利益処分が決定しました。
利益処分の決定時の仕訳
Dr)当期未処分利益(Retained Earnings)100,000
Cr)未払配当金(Dividend Payable) 80,000
未払役員賞与(Directors Bonus Payable) 20,000
②配当(Dividend)および 役員賞与(Directors Bonus)支払後
さらに、決定に基づき、配当(Dividend)および 役員賞与(Directors Bonus)が支払われました。
配当および役員賞与支払い時の仕訳
Dr)未払配当金(Dividend Payable) 80,000
未払役員賞与(Directors Bonus Payable) 20,000
Cr)現金(Cash) 10,000
以上、「【英文会計上級講座】<第4回>利益処分について理解しましょう」でした。
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